木材と流通

木材流通の安定と健全化のために私たちが行うこと

急激な需要増減と不安定な価格環境を改善すべく、当社では予約注文と正式発注の二段階注文方式での注文をお願いしています。需要を事前に察知し、生産者が見通しを持って、無理のない計画生産をすることで安定した価格で供給ができます。当社が取り扱う主な木製外壁仕上げ材や構造部材は、独自の意匠登録と工法特許を取得しており、一般的木材流通網では扱われてないので、価格競争に巻き込まれることなく、供給の制御が可能です。

また、当社製品をご利用いただく建築事業者様には、国土交通省の認定・構造評定・施工ノウハウを含めた情報提供を行い、健全な製品供給と品質確保に努めます。

なぜ計画生産が安定価格を可能にするのか

数か月以上のリードタイムを前提とした計画生産は、必要な丸太量の確保・乾燥・加工スケジュールを安定させ、無理のない価格での仕入れ・製造・納品が可能になります。

この仕組みにより、以下のような建築現場のニーズにも応えられます。

  • 設計段階での概算見積・発注スケジュールの立案
  • 適正価格での部材調達と工期調整
  • 年間需要を反映した伐採・生産体制の構築

ウッドショックがなぜ起こったのか

日本の木材流通は、かつての円高の時、日本の住宅産業は低価格化を求めて輸入材に過剰に依存し、林業と国産木材の生産体制が壊滅的打撃をうけ、供給能力が大幅に衰退しました。今日のような円安でも、国内生産が不足する場合、輸入材が需要を補う構図で、国内供給能力は縮小したままです。円安で海外からの輸入量が減ることで、衰退した日本の木材産業では料金の安い大型の輸送コンテナ船の用意が難しく、他の輸送船に便乗している状況とのことです。そのため国内の急激な需要には、国内の供給能力は脆弱なままなので、輸入もコンテナ船の奪い合いに敗れると、国内の木材の奪い合いで価格が高騰し、ウッドショックになるとのことです。日本の米もこのままでは木材と同じ運命をたどるのかもしれません。

ウッドショックが引き起こしたもの

木材価格が高騰するとそれに追随するように円安のため海外生産の建材も高騰し、職人不足も相まって住宅価格が1.5倍程に高騰し、その反動で今度は深刻な戸建て住宅の不況を招くことになりました。そのため国産木材の行き場がなくなり、市場での価格が暴落し、林業従事者の離脱や供給網の不安定化を招き、木材産業を益々衰退させることになりました。

このように木材流通での価格変動や急激な需要は、木材生産や建築計画にとって大きな障害になります。健全な産業になっていきません。

木材の外部使用への懸念事項について

「漏水や結露」への懸念対策

これは木材製品だけではなく外壁全般にも言えることで、むしろ木材は断熱性能があり、金属や窯業系のサイディングより結露をさせにくいと言えます。さらに小校(こあぜ)下見板は縦胴縁(18×45)を原則455ピッチに設け、縦胴縁間のスペースを乾燥のための通気層とし、仮に釘穴や隙間から表面張力等で雨が侵入した場合の排水層にもなります。そのため下見板材の最上端に吸排気口(隙間)と最下端に吸排気兼ねた水切り金物を設け、空気の出入りを容易にします。それ故、防水紙は縦胴縁の下(内部側断熱材上)に貼ります。

「腐る・傷む・汚れる」ことへの懸念対策

木材は、塗装に頼らなくても、軒が十分出ている部位での使用なら、横雨等で多少濡れても、流れ落ち、すぐ乾くなら、少しずつグレー色に経年変化していくだけで、それを楽しむこともできます。仕上げの色合いを楽しみたい場合や軒が十分でなく、少しでも傷みにくい状態に保ちたい場合は表面に、撥水効果があり、腐食しにくい塗装を定期的に塗るなどのメンテナンスが必要です。尚、木口は水を吸い込み易くそこから割れや腐食が進みますので、いずれの場合でも木口用の割れ止め塗装をして貼ることをお薦めします。またどんな場合でも外壁板の裏面に通気層を設け、表裏に湿潤の差を作らず乾燥し易い状態に保ち、釘もさびにくいものを使用します。庇がなく、上部がパラペットの場合、笠木の上の埃が雨で外壁側に流れないようにして、パラペットの内側に流し、汚れや変色で壁面が斑にならない処理が必要です。

「燃える」ことへの懸念対策

木材は燃えます。そのため防火構造等を必要する箇所にはそのままでは法的には使用できません。ただ、木材は燃えても、凡そ30分に15~25mmほど燃えて炭化し、それ以上には進まず、もっと燃焼時間を要することを公的機関で確認しています。この性質を燃え代耐火性能といいます。この性能を活用して国交省が使い方の仕様条件をセットで活用することで木材を準耐火構造壁や防火構造外壁として認定している使い方があります。その認定方法に沿って私共が提供する外壁材を、指定の断熱材と共に使用することで防火構造壁としての使用が可能です。その認定についての認定の紹介サイトを参照ください。

「割れや反り」に対する懸念について

寒冷地での窯業系のサイディング使用は、雨水が釘穴から染み凍結し、割れを引き起こすことがあります。通常の木製板も厚み15㎜程度の場合、釘での固定の仕方で、多少の反りや割れを引き起こすことがあります。しかし小校(こあぜ)下見板は厚みが45㎜もあり、特別なことがない限りその心配がありません。

FSU工法について(温室効果ガス等環境負荷削減行動の選択肢として)

1 なぜFSU工法なのか 

建築は資源の採取、エネルギーの消費、廃棄物の産出等で、どうしても環境に負担を強いてしまいます。FSU工法は、せめて自分が関与する住宅や建築だけでも、環境への負荷が少ない、むしろ負荷を削減する方向に作用する仕組みにしたいと、金物工法を応用して新たに開発した、在来と異なる木造軸組工法です。一般的な在来工法の3~4倍という木材の大量使用で、林業の活性化を図り、森林整備を進め、古木を新木に替え、二酸化炭素の吸収を増大させ、それを更に木材の生長期間以上、建築に固定させ続けるため、使用後の建築の解体部材も容易に再使用できる仕組みとした、木造の古くて新しい建築工法です。
この工法は建築生産時の人件費や新建材の使用を抑制することで、通常以下のエネルギーと建築費で、生産が可能になるよう工夫されています。都市空間に森林(二酸化炭素)を貯め込む=forest stock in urban spaceの頭文字を並べてFSU工法と命名しています。開発当初建物(ビルディング)に貯め込むFSB工法としていましたが他所の商標登録に触れるということで、FSU工法と改称しました。

2 FSU工法の構造と技術特性

工法(構法)としての新しさは、端的にはその壁にあります。在来の木造建築の場合、下の写真のように構造壁(躯体)の構成は、構造上の柱を半間(0.91m)又は一間(1.82m)間隔に建て、その間に耐力を担う筋交い(斜材)や間柱を立て構造躯体とし、軸組材の間は空洞もしくは断熱材を充填します。その躯体の内外に地中汚染するので土に還せないボードや合板を貼り、その上に仕上げが施されます。現場で多くの手間がかかります。
それを、FSU工法の場合は、写真のように柱と同寸の無垢の角材を隙間なく立て並べ、鉄筋で束ねて壁パネルとし、それを柱間に挿入して構造壁とします。角材間に実材を挟むので、その壁パネルだけでも気密、水密、断熱、燃え代耐火、調湿、蓄熱等、壁としての基本機能を満たし、内外の仕上げ材にもできます。

(左)在来工法の筋交いの耐力壁内部、(中央)本工法の柱と同寸の角材を鉄筋で束ねた壁、(右)角材連結パネル小口面

しかもその壁は90㎝内外の幅にパネル化されていて、組み立てだけでなく解体や再組み立ても、パネルを固定するピンの抜き差しで容易に可能です。屋根や床もパネルにすることも可能で、部材のリユース(再使用)を前提とした工法で、単に工事費だけでなく解体時には建築廃棄物も削減し、環境負荷を低減します。
建て方として、解体や部材のリユースを容易にする意味もあって、事前に工場で、軸組だけでなく、壁や屋根等も、仕上げまで含めて、可能な限りパネル化や事前加工をして現場に持ち込まれます。建具及び家具、あるいは設備機器の取り付けも、パッケージ化しておいたものを、現場に持ち込み、それを数人の多能工のグループで工事を行う、職人不足の建築現場に対応し易い工法です。パネル壁の製作も大掛かりなものでなく、それぞれの地域のプレカット工場もしくは製材所又は建具工場等に、設置した簡易な機械で生産可能で、地産地消に適した工法です。

3 FSU工法の現場での建て方風景

現場搬入された壁パネル。レッカーで一枚一枚吊りあげる。

土台に柱を立て、その間に壁パネルを挿入する。

二階の床梁に立てた壁パネルに桁や梁を載せている。

壁パネルと横架材は臍パイプ金物で接合し、差し込みピンで固定

上の写真は120角の角材パネルを建て込んでいる所。下の写真は土台に柱を立て込み並べた、壁パネル挿入前。

上部写真は120角の角材の間にダブル実を挟み込み連結した壁パネルを建て並べた壁の小口面。見える穴は、角材の中心にある穴は接続金物のパイプ用で、梁に固定された臍パイプが入る。内部側の角穴は電気配線用。

4 FSU工法の工場製作上での要点

〇木造在来軸組工法に属した金物工法の一種で、軸組(柱・梁)は金物工法のプレカット工場で加工される。

〇耐力壁は柱と同様の角材(105~240角が可能)を鉄筋で連結した耐力壁パネルで構成する。

〇通常910モデュール寸法の柱間に耐力壁(LSパネル)を挿入して耐力壁とする。

〇壁パネルの耐力は各角材に孔削した連結用の16φの孔に、16φの鉄筋を通すことで、せん断耐力確保

〇柱、桁、梁等の軸組は通常の金物工法と同様のプレカット工場で加工する。

〇耐力壁パネルは金物工法プレカット工場以外の製材所等の木材加工工場でも生産可能である。

〇壁パネルの横架材との固定はホールダウンパイプ金物や薄板プレート金物で接合する。

〇各角材間には実材を挟み込み、気密水密及び延焼止めを確保する。外部表しの場合はダブル實にする。

〇各壁パネルの一部に電気配線スペース組み込みである。(2芯ケーブル程度)

〇屋根、床は在来工法と同様、屋根はサンドイッチ断熱パネル使用の仕様も可能とする。

〇柱も耐力壁としてボルトで束ねて一体化した形状の壁パネルも製作可能である。(Lパネル)

〇壁パネル製作は大きな資本投下の工場が不要で、金物工法のプレカット工場との連携ができれば可能。

5 法的防火・対価性能の認定及び構造評定の取得済

〇建築確認申請許容応力度計算用耐力試験(左)データ取得の上構造評定取得(3階建て特殊建築物可能)
〇耐火試験(右)の上、構造用の外壁及び間仕切り壁の国交省の60分及び30分認定(6種類)取得済

耐力試験 2m・3m(構造評定用)

構造外壁・間仕切り耐火試験(準耐火認定用)

120角ダブル実間仕切り、仕上げ無し外壁

押縁仕様外壁コッタータイプ

6. FSU工法を開発途中活用した建築物の主な事例

東日本大震災応急仮設住宅及び再建住宅(59戸)

応急仮設住宅の外観 

応急仮設住宅の内観

釜石地方森林組合仮設事務所

盛岡の家

那須町の家

伊丹の家

南善福寺の家

陸前高田市森林組合事務所

釜石鵜住居ラクビ―スタジアム関係者入口木質棟

選手、関係者エントランス棟

スタジアム内木質諸室

7. 木材活用のため開発された新建材の代替材部材(在来木造に対応例)

小幅板吸音天井

在来住宅使用例

小校板貼り外壁仕上げ

杉小校板貼りの使用例外観(FSU工法)

小校板貼り詳細

奥が杉小校板、手前が通常の杉板下見板

在来木造のデッキ手すり壁の杉小校板貼りの使用例、右中央壁が下見板と小校板の中間厚みの下見板

8.FSU工法開発経過と建築実績

平成23年 7月 岩手県(山田町・宮古市)の応急仮設住宅59戸が完成(事例参照)

平成23年12月 岩手県山田町と大槌町にもりの貯金箱(盛岡市が支援する家)集会所が完成

平成24年 3月 岩手県陸前高田市に同上の集会所が完成

平成24年 6月 釜石地方森林組合の仮設事務所が完成(事例参照)

平成25年10月 岩手県山田町に住宅(森の貯金箱再建住宅)が完成

平成25年9月 国交省防火構造(30分)認定取得

平成26年 3月 岩手県釜石市に住宅(森の貯金箱再建住宅)が完成

平成24年 7月 岩手県遠野市に、以降、釜石市3軒、大槌町2軒、気仙沼市に同上住宅が完成

平成26年 4月 栃木県那須町に住宅が完成(事例参照)、27年に群馬県に倉庫完成、

平成27年 5月 釜石地方森林組合の再建の本設事務所が完成

平成27年 8月 岩手県遠野市と盛岡市で、建築部材の再使用実験のための移築プロジェクトを実施

平成27年12月 構造評定取得

平成27年12月 ウッドデザイン賞2015を受賞

平成28年 5月 岩手県釜石市に宿舎が完成

平成28年 9月 岩手県盛岡市に住宅が完成(事例参照)

平成28年 9月 兵庫県伊丹市に住宅が完成(事例参照)

平成28年11月 岩手県紫波町に住宅が完成

平成29年3月 国交省準耐火構造(耐力壁)外壁及び間仕切り壁認定取得

平成29年 1月 釜石地方森林組合事務所が、「いわて木材利用優良施設優秀賞」を受賞

平成29年2月 構造評定追加版取得

平成29年 2月 岩手県陸前高田市の森林組合事務所が完成(事例参照)

平成29年 2月 岩手県大槌町に放課後こども教育センターが完成(構造設計協力)

平成29年 3月 岩手県釜石市で住宅が完成

平成29年 6月 茨城県牛久市で住宅が完成

平成29年10月 岩手県遠野市で住宅が完成

平成29年11月 岩手県釜石市で住宅が2棟完成

平成29年12月 東京都練馬区で住宅が完成(事例参照)

平成30年 8月 釜石市で釜石鵜住居復興スタジアムの常設トイレ棟2棟完成(事例参照)

平成30年11月 岩手県遠野市で住宅が完成

平成30年12月 国交省準耐火構造(耐力壁)外壁(躯体表し)認定取得

平成31年 3月 釜石市で釜石鵜住居復興スタジアムのラグビーワールドカップ施設8棟が完成

令和元年 5月 釜石市で釜石鵜住居復興スタジアムのラグビーワールドカップ関連施設の追加棟が完成

令和元年 6月 長野県松本市の信州大学 山岳部部室(会館)が完成

令和元年 6月 岩手県盛岡市で住宅が完成

令和元年 9月 岩手県盛岡市で住宅が完成

令和 2年 3月 東京都品川区で住宅が完成

令和4年12月 千葉県四街道市で住宅が完成

令和5年10月 岩手県釜石市で住宅が完成

令和7年 9月 千葉県市川市で住宅が完成

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